中小企業の採用マーケティングとは?紹介料900万円を削減した実例と5ステップ

中小企業の採用マーケティング

「採用マーケティング」という言葉を目にする機会が増えました。ただ、解説を読んでも「大企業の話ではないか」と感じた中小企業の経営者は多いはずです。

先に結論をお伝えします。採用マーケティングは、むしろ中小企業のほうが効果が出ます。 知名度でも広告予算でも勝てない会社が、条件の競争から抜け出すための方法だからです。

この記事では、私たちが支援している横浜市の訪問看護ステーション「株式会社はまリハ」で実際に起きたことを、数字とともに公開します。人材紹介会社に年間1,000万円以上を支払っていた会社が、年間20人の有資格者を直接採用し、紹介料を約900万円削減するまでに何をしたのか。

うまくいかなかったことも書きます。一般論ではなく、実行して結果が出た構造をお伝えします。

ページの内容

中小企業の採用マーケティングとは

採用マーケティングとは、マーケティングの考え方を採用活動に応用し、求職者と出会ってから入社してもらうまでの流れを設計する手法です。

マーケティングは「集客」の文脈で語られることが多いのですが、その本質は人を集めることにあります。人を集めるという意味では、集客も求人も構造は変わりません。だから、集客の世界で積み上げられてきたセオリーは、そのまま採用に転用できます。

従来の採用と何が違うのか

従来の採用は、求人媒体に掲載して応募を待つスタイルでした。枠を買い、条件を並べ、反応を待つ。応募が減れば掲載プランを上げる。多くの会社がこれを繰り返しています。

採用マーケティングは、待つのではなく設計します。 どんな人に来てほしいのかを決め、その人がどこで自社を知り、何を見て、何に納得して応募するのかを逆算する。求職者を「応募してくる人」ではなく「選ぶ側の人」として捉え直す、と言い換えてもいいかもしれません。

違いは姿勢だけではありません。従来型は掲載をやめれば効果もゼロに戻りますが、採用マーケティングで整えた情報は資産として残ります。ここが決定的です。

採用マーケティングは2つの段階しかない

複雑に見えますが、分解すると2段階です。

知ってもらう段階と、応募してもらう段階

求人媒体やIndeedへの掲載は、前者を担います。転職を考えている人が自分から集まってくる場所なので、私たちはこれを「生け簀」と呼んでいます。すでに転職意欲のある人がそこにいる状態です。だから、知ってもらう工程は掲載した時点でかなりの部分がクリアできています。

問題は後者です。知ってもらったあと、応募まで運ぶ受け皿がなければ、せっかくの認知は流れて消えます。目の粗いざるに水を入れているのと同じ状態です。

この受け皿にあたるのが、自社の採用サイトです。採用マーケティングという言葉は大きく聞こえますが、中小企業がやるべきことは、この2段階のうち欠けているほうを埋めることに尽きます。

なぜいま中小企業に採用マーケティングが必要なのか

必要性は、3つの変化から説明できます。

労働人口が減り、待っていても応募が来ない

少子高齢化で労働人口は減り続けています。求人を出せば応募が集まった時代は終わり、企業側が「選ばれる存在」になる必要が出てきました。

母集団そのものが縮んでいる以上、同じやり方を続ければ結果は下がります。努力の量ではなく、前提が変わったという話です。

求職者が「会社名で検索する」ようになった

求人媒体で気になる会社を見つけたあと、多くの人はそのまま応募しません。まず会社名を検索します。 そして公式サイトを見ます。

そこで確認しているのは、給与や休日の再確認ではありません。どんな考えで経営しているのか、実際にどんな仕事をするのか、職場の雰囲気はどうか、入社したあと自分がどう働くことになるのか。求人票の枠には収まらない情報です。

私たちの実感では、真剣に検討している人ほど、この確認を丁寧に行います。 主体的に考え、情報を集め、自分で判断する人。多くの会社が「求める人物像」に挙げるのは、まさにこういう人ではないでしょうか。

つまり、公式サイトの情報が薄いことで取りこぼしているのは、いちばん採りたかった層である可能性が高いのです。

条件では差がつかなくなった

求人票の項目は、どの媒体でもほぼ固定されています。給与、勤務時間、休日、福利厚生。業種と地域が同じなら、書ける内容はどうしても似通います。

同業他社の求人票を3社ほど開いて、社名の部分だけ隠してみてください。どれがどの会社の求人か、区別がつくでしょうか。

ここで勝負が始まると、判定基準は条件の一点に絞られます。原資を積める会社が有利で、しかもこの競争に終着点はありません。相手が上乗せすれば、こちらも上乗せするしかない。体力のある会社が最後に残る構造です。

だからこそ、土俵を変える必要があります。

【実例】紹介料1,000万円超から、年20人の直接採用へ

一般論はここまでにして、実際に起きたことを書きます。

私たちが支援している株式会社はまリハは、横浜市の訪問看護ステーションです。看護師の採用市場は慢性的な売り手市場です。はまリハが実際に支払っていた紹介料も、1人あたり100万円を超えていました。

着手前の状態

はまリハは、人材紹介会社に年間1,000万円以上を支払っていました。看護師が採用できないからです。それでも現場の人手は足りないので、使い続けるほかありません。

代表は「紹介会社を使うしかない」と考える一方で、「この状況をなんとかしなければ」という思いを持ち続けていました。この状態は、多くの中小企業に共通します。やめたいのにやめられないのは、意思の問題ではなく、抜け出す仕組みを持っていないからです。

取り組んだこと

私たちが行ったのは、紹介会社との条件交渉ではありません。採用サイトを中心とした採用マーケティングの設計です。

具体的には、次のような情報を書きました。

  • 1日の訪問スケジュールの実際
  • オンコールの回数と、実際の対応件数
  • 入職後3か月の研修内容
  • 評価の仕組みと昇給の考え方
  • 向いている人と、向いていない人の特徴
  • 経営者が何を大事にしているのか

求人票に書ききれなかったことを、求職者が判断できる形にした。やったことはこれだけです。

結果

看護師を年間12人、理学療法士などのセラピストを含めると年間20人の有資格者を、紹介会社を通さずに直接採用できるようになりました。

人材紹介会社への支払いは80%以上削減。金額にして約900万円です。しかもこれは単年で終わらず、翌年も直接採用が続いています。一度作った仕組みが翌年も動いた、という点が重要です。

見落とされがちな、もうひとつの数字

900万円の削減はインパクトがありますが、実はもっと大きな数字が隠れています。

もし20人を紹介会社経由で採用していたら、紹介料だけで2,000万円を超えていました。

つまりこの20人は、紹介料が発生する前提であれば、そもそも採用を見送っていた人材かもしれません。削減額だけでなく、「採用できるようになった」という事実そのものが成果です。

紹介料を気にせず人材を採用できる状態。売り手市場の業界において、これ以上の強みはありません。

採用マーケティングの8割は「採用サイト」が担う

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

採用マーケティングの手法を調べると、ペルソナ設計、カスタマージャーニー、SNS運用、動画、オウンドメディア、ダイレクトリクルーティングと、たくさんの施策が並びます。どれも間違ってはいません。

ただ、全部やろうとすると中小企業は必ず息切れします。 人も時間も限られているからです。

私たちの結論はこうです。採用マーケティングの8割は、採用サイトが担っています。

なぜ採用サイトなのか

先ほどの2段階を思い出してください。知ってもらう段階は、求人媒体への掲載でかなりの部分がクリアできます。有料でも無料でも構いません。

足りていないのは、応募してもらう段階です。そして求職者は、会社名を検索して公式サイトで判断します。つまり比較検討の主戦場は、自社の採用サイトです。

求人媒体は「比較の場」であって、「選ばれる場」ではありません。ここを取り違えると、媒体の中だけで勝負することになり、永久に条件競争から抜け出せません。

疑問を残したまま、求職者は静かにページを閉じる

経営者の方からは、よくこう言われます。「気になることがあれば、聞いてもらえればいいので」

ところが、そうはなりません。判断がつかない場面で人が選ぶのは、質問ではなく離脱のほうです。

わざわざ問い合わせてまで応募したい。そう思ってもらえるほど、こちらは強い立場にありません。

厄介なのは、この離脱が数字として見えないことです。手元に残るのは「応募が来なかった」という事実だけ。そこから「やはり知られていないのだろう」と結論づけてしまう。打ち手がずれていくのは、たいていここが起点です。

募集要項は、真っ先に見られるページ

採用サイトの中でも、特に手を入れるべきページがあります。募集要項です。

どの求人媒体にも載せているので軽視されがちですが、募集要項には「ほしい情報がまとまっている」という認識があるため、求職者が真っ先に開くページです。

真っ先に見られるということは、それだけじっくり読む意欲がある状態だということです。ここに媒体と同じ条件表を転載しているのは、非常にもったいない。条件以外に、どんな人材を求めているのかが伝わる情報をふんだんに載せてください。

情報は「量」ではなく「具体性」で効く

情報を出しましょう、と言うと「たくさん書けばいいのか」と受け取られることがあります。そうではありません。重要なのは具体性です。私たちはこれを「情報の濃さ」と呼んでいます。濃さとは文字数のことではなく、読んだ人が判断できるだけの中身があるか、という意味です。

形容詞は、判断材料にならない

「アットホームで働きやすい職場です」。多くの採用ページで見かける一文です。

しかし、これを読んだ求職者は何も判断できません。働きやすさの基準が、書く側と読む側で一致しないからです。

代わりに、事実を書きます。

  • 平均残業時間は月◯時間
  • 直近1年間の離職者は◯名
  • 有給の取得率は◯%
  • 一人あたりの担当件数は1日◯件

形容詞は受け取り手によって伸び縮みしますが、数字は動きません。信頼をつくるのは、印象を語る言葉ではなく、確認できる事実のほうです。

都合の悪い情報こそ書く

ここが、いちばん差がつくところです。

採用ページを作るとき、多くの会社は長所だけを並べようとします。無理もありません。ただ私たちは、弱点を書いたほうが結果的に得をすると考えています。

たとえば、社員20人規模で教育制度が体系化されていないとします。伏せておきたい事実です。

ですが、先輩が現場で手を取って教える体制があるなら、それで十分だと考える人は一定数います。書いてあれば、その人が手を挙げます。

伏せたまま採用するとどうなるか。制度があると思って入った人は、入社後に「聞いていた話と違う」と感じます。現場がどれだけ丁寧に教えていても、最初の期待との差は埋まりません。そして離れていきます。

応募数と定着率はトレードオフになる

具体的に書くと、応募は一時的に減ることがあります。ここで多くの会社が怖くなって、また曖昧な表現に戻してしまいます。

しかし、構造はこうです。

情報が少ないほど応募は増えやすいが、定着率は下がる。
情報が多いほど応募は厳選されるが、定着率は上がる。

追うべきは応募数ではありません。採用に至り、定着した人数です。一人辞めるだけで現場の負担が増え、再募集のコストがかかり、既存スタッフが疲弊します。ミスマッチは採用の失敗ではなく、経営リスクです。

デザインの良し悪しは、勝敗を決めない

他社の採用サイトを見て、洗練された見た目に引かれることがあります。印象に残るのは確かです。

ただ、記憶に残ることと、応募先に選ばれることは別の話です。比較検討の場面で見られているのは、見た目ではなく判断材料の有無です。

目指すべきは「この会社は情報を出している」「ここなら決められる」と感じてもらう状態です。見栄えを整えるのは、その条件を満たしたあとで構いません。

実践の5ステップ

はまリハで実際に組んだ構造を、そのまま公開します。特別な技術は使っていません。

ステップ1:求人媒体で「認知」を取る

まず求人媒体には掲載します。有料でも無料でも構いません。転職を具体的に考えている人が集まっている場所だからです。

ここでの目的は、応募を完結させることではありません。気になる存在になり、会社名を覚えてもらうことです。媒体の中で完結させようとするから、条件競争に巻き込まれます。役割を認知に限定すると、力の入れどころが変わります。

ステップ2:公式サイトへ誘導する

求人票に、公式サイトを確認したくなる一文を置きます。

「詳しい働き方は公式サイトをご覧ください」「1日の流れや教育制度を詳しく公開しています」。この一文があるだけで、検索行動が促されます。

会社名検索が起きた時点で、比較検討フェーズに入ります。ここまで来れば、勝負の場は自社の土俵です。

ステップ3:採用サイトで「納得」をつくる

ここが分岐点です。訪問件数の平均、オンコールの実態、スタッフ構成、教育スケジュール、評価制度、代表の考え。これらを具体的に書きます。

重要なのは、盛ることではなく具体化することです。曖昧な言葉は信頼を生みません。数字と事実が安心材料になります。

私たちの実感では、応募するかどうかの判断は、この段階でほぼ固まります。面接で説明すればいい、と考えるのは順番が逆です。面接まで来てもらえなければ、説明する機会そのものがありません。

ステップ4:コンセプトで「共感」をつくる

情報だけでは足りません。なぜその仕事をしているのか、なぜその体制なのか。背景にある考え方を示すことで、「ここで働きたい理由」が生まれます。

ここで言うコンセプトは、キャッチコピーのことではありません。経営の姿勢そのものです。曖昧な理念しか書かれていなければ、求職者は「方針が定まっていないのではないか」と受け取ります。

はまリハの条件が特別に良かったわけではありません。広告費が突出していたわけでもありません。それでも直接応募が増えたのは、コンセプトが明確だったからです。

ステップ5:公式応募を優遇する設計にする

最後に、公式サイトからの応募を優先する仕組みを作ります。

面接確約、選考スピードの優遇、書類選考の簡略化、代表との面談機会。いずれも金銭的な負担を増やさずに、応募動機を後押しできます。

わざわざ公式サイトを読んで、理解したうえで応募してくれた人を優先する。 この姿勢を示すだけで、応募の質は変わります。

中小企業がつまずく3つの失敗

手順そのものは複雑ではありません。それでも、途中でつまずく会社があります。支援の現場でよく見る失敗が3つあります。

ターゲットが抽象的で、誰にも刺さらない

「明るくて前向きな人」「協調性のある人」。この粒度では、求職者は自分のことだと認識できません。

必要なのは、どんな経験を持ち、いま何に困っていて、何を求めて転職しようとしている人なのか、という具体です。誰に向けて書くかが決まらないと、何を書くかも決まりません。

ここを飛ばして先に進むと、すべての施策が「誰にでも当てはまるが誰にも刺さらない」ものになります。

目的と手段が入れ替わる

「SNSを始める」「動画を作る」「オウンドメディアを立ち上げる」。これらはすべて手段です。

ところが着手した途端、フォロワー数や投稿頻度が目的にすり替わります。何のためにやっているのかを見失うと、作業は増えるのに応募は増えません。

手段を決める前に、「知ってもらう段階と応募してもらう段階の、どちらが足りていないのか」を確認してください。多くの中小企業で足りないのは後者です。

効果測定の設計がなく、改善が回らない

応募数だけを見ていると、判断を誤ります。応募が増えても採用に至らなければ意味がありません。

見るべきは、公式サイト経由の応募がどれだけあるか、応募から採用までどれだけ残るか、そして入社した人が定着しているかどうかです。この3つを追えば、どこが詰まっているかが見えます。

やらなくていいこと

上位の解説記事はどれも「あれもこれもやりましょう」と書きます。私たちは逆のことを言います。優先順位を切ることのほうが重要です。

SNSを頑張らなくていい

SNSはやるに越したことはありませんが、頑張りすぎる必要はありません。主戦場ではないからです。

求人媒体や検索から来る人は能動的です。転職すると決めたうえで、自分の意思で探しに来ています。対してSNSを見ている人の多くは受動的です。通勤中や就寝前の空き時間に、流れてくる投稿をなんとなく眺めている。その画面で転職先を探しているわけではありません。

この違いは「覚悟」の差として表れます。SNSが効くのは、応募を決める前の比較検討の段階です。つまりSNSは、応募を生む装置ではなく判断材料のひとつです。

そう捉えると、力を入れるべき場所が変わります。採用サイトで掲げている考え方と、SNSに流れる日常の空気が食い違っていないか。確認されているのはそこです。

お祝い金を出さなくていい

入職お祝い金を設定する会社もあります。求人広告費や紹介手数料を考えれば、その一部を応募者に還元するのは合理的に見えます。

ただ、応募動機がお祝い金になると、意思決定の軸が金銭になります。条件で集めた人材は、条件で離れます。 より良い条件の求人が出た瞬間に流れていく。これは構造上避けられません。

増やすべきなのは応募数ではなく、理念を理解し、仕事内容を具体的にイメージできたうえでの納得応募です。これは金銭的インセンティブでは生まれません。情報と設計で生まれます。

うまくいかなかったこと

都合の良い話だけ書いても参考にならないので、失敗も書きます。

はまリハでは、SNSを使って応募を増やした時期があります。応募数だけを見れば、成果は出ていました。

ところが、その応募は最後まで残りませんでした。選考の途中で、あるいは最終面接や内定通知の段階で「やはり辞退します」となるケースが続いたのです。

原因は明確でした。強い動機がないまま応募していたからです。受け身で情報に触れた人は、応募までの敷居が低いかわりに、辞退の敷居も同じだけ低くなります。

そこで採用サイトを軸に導線を引き直しました。すると途中離脱が減り、入社まで到達する人が増えます。動いたのは応募数ではなく、採用に至る率でした。応募数だけを成果指標にしていたら、この変化には気づけません。

もうひとつ。SNSの更新を担当していた事務スタッフが産休に入り、担当者が短い期間で何度か交代したことがあります。当然、投稿は不安定になり、止まっていた時期もありました。

それでも直接応募は途切れませんでした。投稿の頻度と応募の数は、必ずしも比例しない。私たちがそう判断しているのは、この経験が根拠です。

一方で、面接では「SNSを見て雰囲気がよさそうだと思いました」という声も聞きましたし、入社したスタッフからも「SNSの様子を見て、自分に合いそうだと感じた」と言われました。

入口をつくる力は弱いが、最後のひと押しにはなる。SNSの役割を、私たちはこう位置づけています。

よくある質問

中小企業の採用は難しいですか

条件で競争する限り、難しいままです。給与や知名度で大手に勝つのは現実的ではありません。

ただし、判断材料の量と具体性で競争するなら、会社の規模は関係ありません。 そして多くの会社が、ここにまだ手をつけていません。中小企業にとって比較検討の段階は、負けている場所であると同時に、最も逆転しやすい場所です。

中小企業のマーケティングの課題は何ですか

人と時間が足りないことです。だからこそ、全部やろうとしないことが課題への答えになります。

採用に関して言えば、採用サイトの情報設計、募集要項の具体化、コンセプトの言語化。この3つが先です。ここが整う前に流行の手法へ手を広げると、リソースが分散して何も残りません。

採用マーケティングと採用ブランディングは違いますか

重なりますが、力点が違います。採用マーケティングは認知から応募までの流れを設計すること、採用ブランディングはどんな会社として認識されるかを形づくることです。

採用サイトはその両方を担います。情報を出す装置であり、同時に考え方を示す装置でもあるからです。

どれくらいの期間で成果が出ますか

自社で応募を集める仕組みは、整えてから効き始めるまでに時間を要します。週ではなく月の単位で見てください。

ですから、いま人材紹介会社を使っているなら、今日からやめるのではなく並走させながら比率を少しずつ変えていくのが現実的です。一度にやめようとすると現場が回らなくなり、結局また戻ることになります。

自社にリソースがなくても始められますか

始められます。ただし、順番を守ってください。

最初にやるべきは、募集要項を具体的に書き直すことです。新しいページを作る必要も、デザインを刷新する必要もありません。すでにあるページの中身を、判断できる情報に入れ替えるところから始めれば十分です。

まとめ:採用は作業ではなく経営戦略

改めて整理しましょう。

  • 採用マーケティングは「知ってもらう段階」と「応募してもらう段階」の2つに分かれる
  • 媒体に掲載している時点で、認知の工程はおおむね終わっている
  • 足りていないのは受け皿で、その8割を採用サイトが担う
  • 判断できなければ、求職者は問い合わせずに離脱する
  • 条件では差がつかない。差がつくのは情報の具体性
  • 応募数ではなく、採用に至り定着した人数を追う
  • ここは規模に関係なく勝てる場所

はまリハで起きたことは、特別な魔法ではありません。認知を取り、比較検討で勝ち、共感をつくり、応募導線を整える。この構造を設計した結果です。

どんな人を採用するかは、そのまま組織の文化を決めます。採用は人数を埋める作業ではなく、会社の未来を選ぶ行為です。

採用に苦戦している会社は、力を入れていないわけではありません。不足しているのは、たいてい努力量ではなく設計のほうです。

最後にひとつ、試していただきたいことがあります。

自社の採用ページを、社外の人に読んでもらってください。 そして「この会社で働く自分を、具体的に想像できたか」と聞いてみてください。

言葉に詰まるようなら、そこが最初の伸びしろです。

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この記事を書いた人

ウェブ業界12年目の経験からウェブマーケティングのセオリーを採用活動に応用して、採用サイト、採用マーケティングを通じて企業の“理想採用”をサポート。求める人材から選ばれる企業になるためには中小企業の個性とポテンシャルを発信することが不可欠と考え、採用サイト制作を行なっている。

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